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決算後の節税対策としてできることは?

決算後の節税対策としてできることは?

2019/11/28

決算後にできる節税対策とは

まず、決算後の節税とはどのようなことを意味するのでしょうか。

例えば決算月が3月の場合、決算の申告と納税は2ヶ月後の5月に行わなければなりません。

申告と納税は5月末までとなり、税金計算は通常3月末までの損益に応じて行います。

法人としては備品を購入したり賞与を支払ったりと、決算月となる3月中に節税対策を済ませておきたいところです。

しかし実務上、節税対策ができる3月までに法人の正確な損益を把握することは難しく、法人に大幅な利益が出ていることが分かったのは決算日を過ぎてから、ということも少なくありません。

この場合の決算日が過ぎてから申告までの期間(4月、5月中)に節税対策を行わなければなりません。

この期間に行える「決算後」の節税対策は、主なものは次の通りです。

  • 未払い金、未払い費用の計上
  • 期中での税金計上
  • 不良債権の整理
  • 評価損の計上
  • 中小企業の税制優遇の活用

この記事では、これらの方法をひとつずつ解説していきます。

未払金を経費に計上して節税

では実際に決算後の節税対策としてはどのようなことができるのでしょうか。まず確認していきたいものは、「未払金」です。

未払金とは、実際にまだ支払いは済んでいないものの、経費として計上することができるもので、具体的には

  • 消耗品
  • 事務用品
  • 備品
  • 広告宣伝費
  • 修繕費

などがあります。

会計上の仕分けとしては

借方貸方
消耗品未払金

として計上し、借方の消耗品部分を損益計算書上の経費として計上することができます。

貸方は未払金となっていますので貸借対照表上の負債部分に計上され、支払いはまだ済んでいませんが決算期中に受け取っている請求によって事前に経費計上することができます。

未払費用を経費に計上して節税

決算後にできる節税対策として、未払費用を計上することも考えられます。未払金と似ている名称ですが、未払金は「単発」での取引であることに対し、未払費用は同じ取引先に対して「継続的」に支払いをしているような場合に使う科目となります。例えば

  • 借入利息
  • 給与
  • 家賃

などが未払費用の対象となります。仕分けとしては

借方貸方
借入利息未払費用

として計上します。3月締めの法人でれば、実際に締め日に支払いをしていなくても3月分の利息や給与、家賃であれば未払費用として計上することができます。

また給与に付随して「社会保険料」も会社負担部分を未払費用として経費計上することができます。また決算月の末日が土日である場合には2ヶ月分を未払費用として計上することがでる場合もあります。

未払計上した支払い義務が翌期に消滅した場合

消滅した金額を利益計上して未払い分を相殺させる

未払金や未払費用として期末に計上していても、実際翌期になってから支払いの義務が消滅するということもあるかもしれません。

そのような場合には翌期に「債務免除益」や「雑収入」を計上し、未払金を相殺し、利益を計上しなければなりません。

支払いの義務が消滅した場合の仕分け

借方貸方
未払金雑収入

債務として計上されていた未払金がこの仕訳により相殺され、前期に計上していた費用は雑収入により相殺されます。

また通常、翌期に未払金や未払費用の支払いを終えた時には以下の仕分けを行い未払金や未払費用を相殺します。

借方貸方
未払金普通預金

税金の経費計上タイミングを調整して節税

消費税や固定資産税を決算期内の経費にする

決算で確定した消費税を経費として計上するタイミングはいつにすべきなのでしょうか。

消費税の処理方法は「税込方式」と「税抜方式」があり、税込方式を採用している場合には利益の中に消費税額部分も含まれている形となります。

このため消費税部分を「租税公課」として消費税価額を経費処理する作業が必要になるのですが、この損金算入の時期は以下のように定められています。

原則:その申告書が提出された日の属する年または事業年度(翌事業年度)

例外:未払金(未払消費税)として今期の事業年度

申告書が提出された日の属する年または事業年度とは、決算日の2ヶ月後ですから翌事業年度のことを言います。翌事業年度が原則なのですが、未払消費税として計上する場合には決算期内の経費とすることも例外的に可能とされています。

例)決算で当年度の消費税額が1,000,000円に確定し、翌事業年度に1,000,000円支払った。

決算日の仕分け

借方貸方
租税公課未払消費税
1,000,000円1,000,000円

翌期支払い時の仕分け

借方貸方
未払消費税普通預金
1,000,000円1,000,000円

決算日に未払いとして仕分けを行うことで、まだ支払いは済んでいなくても決算期内の経費として計上することができます。

また法人が所有する資産の固定資産税も「租税公課」として経費計上することができます。多くの場合、実際に支払った月に費用計上していることが多いですが、この固定資産税を経費として計上するタイミングは原則「賦課決定された事業年度」です。つまり、まだ支払っていなくても賦課決定された事業年度、つまり納税通知のあった日が属する事業年度に未払として費用計上することができます。

実際、これらの未払金の処理を行うことは今期利益を計上するか来期利益を計上するかの違いで、利益の繰り延べ(引き延ばし)にすぎませんが、利益計上の時期をずらすだけでも、次期決算までに対策を練ることもできます。特に消費税などの金額は大きいので法人税に大きく影響を与えるものとなりますので決算期中の費用計上を検討してみても良いでしょう。

不良債権を整理して節税

貸借対照表上にある債権を確認し、回収不能となっているものはないでしょうか。

「回収できない=経費処理できる」というわけではありませんが、一定条件のもと、経費として処理することが可能な場合もあります。

  • 法律上貸し倒れと判断
  • 債権の全額回収が事実上不可能
  • 形式上貸し倒れと判断

このような条件に該当する債権は貸倒損失として経費処理することができます。それぞれのケースについて解説していきます。

法律上貸し倒れと判断

債権が法律上消滅しているような場合には貸し倒れとして損金算入することができます。法律上消滅している債権の金額とは具体的に以下のものとなります。

  • 「会社更生法」「民事再生法」などの規定に基づいて裁判所により捨てられることとなった金額
  • 債権者集会の協議決定、行政機関や金融機関などのあっせんによる協議で、合理的な基準により切り捨てられることとなった金額
  • 債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合に、その債務者に対して、内容証明郵便などにより明らかにされた債務免除の通知額

このような場合には法律上債権は消滅していると認められるので会計上も債権の消滅を反映させることができます。

債権の全額回収が事実上不可能

債権の全額回収が事実上不可能の場合にも貸倒損失として経費計上することができます。

「債権の全額回収が事実上不可能なケース」とは、債務者の「資産状況」や「支払い能力」から債権の全額を回収することが不可能と明らかである場合のことをいいます。この場合、担保がある場合にはその担保を処分した後でなければ損金計上することはできません。

形式上貸し倒れと判断

形式上貸し倒れと判断されるケースは以下のようなケースです。

  • 継続的に取引を行っていた債務者の資産状況、支払い能力等が悪化し、取引が停止されその取引停止後1年以上が経過したとき
  • 債権を取り立てるための取り立て費用が売掛債権の総額よりも高いことが明らかで、支払いの催促をしても弁済がない場合

このような場合、形式上その債権は貸し倒れたと判断され損金計上することができます。ただし注意しなければいけないのは、この場合全額を損金計上するのではなく、「1円」を備忘価額として残しておかなければならず、この備忘価額を残すことをしないと「全額」が損金不算入となります。

貸借対照表の債権項目を確認し、上記のような不良債権がないかを確認し、もしある場合は貸倒損失として費用処理することも検討してみましょう。

評価損を計上して節税

棚卸資産の評価が下がっているのであれば、「棚卸資産の評価損」として損金処理が認められる場合があります。具体的には以下のようなケースです。

  • 商品や材料が災害によって著しく損傷し販売できないまたは使用できない状態になっている場合
  • 物質的な欠陥はないものの、※経済的な環境の変化により価値が著しく減少し今後も価値の回復が見込めない場合

※経済的な環境の変化とは、季節商品で売れ残ったもので今後通常の価格で販売することができないと明らかな場合や、当該商品と用途の面ではおおむね同様であるにも関わらず、型式、性能、品質などが著しく異なる新製品が発売されたことなどを指します。

これらの商品評価損を計上する場合には合理的な金額を証明するものや、災害での被害を証明するものなどを備えておく必要があります。税務署としても商品評価損については厳しくチェックする項目です。もし今後の販売活動が厳しい商品であれば「廃棄」として経費処理することも一つの手かもしれません。

中小企業の優遇制度(特例・控除)を活用して節税

決算後の節税対策として法人が使える「特例」や「控除」がないかを確認しましょう。それぞれの優遇制度には異なる条件がありますが、もし該当する特例や控除がある場合には大幅に税金を抑えることができます。

少額資産取得価額の損金算入の特例

通常、固定資産を取得した場合には耐用年数に応じ「減価償却費」として按分したものを経費計上しなければなりません。

しかし中小企業(資本金の額が1億円以下などの法人)においては、取得価額が30万円未満の少額減価償却資産を取得した場合、その全額を損金とすることができるという特例があります。

少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります。

中小企業投資促進税制

機械装置等の対象設備を取得や製作等をした場合に、取得価額の30%の特別償却または7%の税額控除(※税額控除は、個人事業主、資本金3,000万円以下法人が対象)を選択適用することができます。

この特例を使えば取得価額の30%を経費の追加計上として特別償却する、もしくは法人税額の20%を限度として取得価格×7%を法人税から控除することが可能です。適用期限は2020年度末までとなります。

中小企業経営強化税制

経営力向上計画の認定を受けた事業者は、計画を実行するための支援措置を受けることができ、税制優遇も受けることができます。

この場合も「即時償却」または取得価額の最大10%法人税の税額控除を受けることができます。

ただしこの控除を受けるためには事前に経営力向上計画が受理され、認定を受けていなければならないので注意しましょう。

研究開発税制

研究開発税制とは、企業が研究開発を⾏っている場合、法⼈税額(国税)から、試験研究費の額に税額控除割合(6〜14%)を乗じた⾦額を控除できる制度。

ただし、法⼈税額に対する控除上限(法人税額の25%相当額)があります。

この研究開発税制にも一定水準以上の賃上げや国内設備投資を行っていない大法人については、 研究開発税制等が適用できないなどの制限があります。

地方拠点強化税制

地方拠点強化税制とは、大都市圏から地方へ本社機能を移転した場合に、大きな税制優遇を受けられる税制のことを言い、以下のような税制優遇があります。

設備投資減税
建物等を取得した場合に法人税の減税措置を受けることができる。
雇用促進税制
新たに従業員を雇い入れた場合等に、法人税の減税措置を受けることができる。
地方税の課税免除または不均一課税
不動産取得税、固定資産税、事業税の免除または減税措置を受けることができる。

これらの優遇制度はそれぞれの税制ごとに条件がありますが、もし該当するのであれば即時償却や法人税額を控除することができるのなど、大幅な節税が見込めます。

ただし、それぞれの優遇制度は「適用期限」が定められているのでご注意ください。今回ご紹介した優遇制度に少しでも当てはまる可能性があれば一度専門家に相談してみましょう。

まとめ:決算後でも行える節税対策はいろいろある

いかがだったでしょうか?今回の記事では決算後にできる節税対策についてご紹介してきました。「決算後」だとしてもできる節税対策は色々とあります。具体的には、

  • 未払い金、未払い費用の計上
  • 期中での税金計上
  • 不良債権の整理
  • 評価損の計上
  • 中小企業の税制優遇の活用

などです。「決算日を過ぎてしまったから節税対策はもう遅い・・・」とあきらめずに該当するものがないか一つ一つ検討してみましょう。節税対策についての個別のご相談は専門の税理士や節税コンサルティングサービスにご相談ください。

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